2018/10/04

個人ショップが大手企業に勝つには?お客さんのコメントやクレームから見える個人販売の魅力

 

この記事を書いている人 - WRITER -
田口 さやか
脱サラ女子として2015年に個人販売で起業。 インターネットを活用しのべ4万人以上の国内外のお客様に 商品を販売してきた販売実績を生かして 同じようにハンドメイドでビジネスをしていく方々を応援しています。 ご受講者様累計600名以上。 現在もネット販売のためのオンライン講座『売れるネットショップを構築するUSK講座』、海外・国内のネット販売セミナー・個人コンサルを実施中です。

先日、とある作家さんからこんなご相談をされました。

作品作りの労力や手間を考えるともっと値上げをしたいのですが。
似たような商品が既製品として安く存在するんです。
結局私の商品て、思い通りの形で売れないのでしょうか。。

悩める作家

このご質問を頂いた時、
大手会社の既製品と同じ土俵で勝負する事の危うさをお伝えしたのですが、
ブログにも少し書いてみようと思います。

大手と個人店ではいろんな違いがあると思いますが、
特に、お客さんからのコメントとクレームにフォーカスを当てて
我々個人ショップに出来る事を考えてみようと思います。

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小さな薬局と大きな薬局で勤めてわかったそれぞれのメリットデメリット

私は大学卒業後、長野の個人薬局に就職をしていましたが、
その後留学などを経て
国内に100店舗くらい展開するような大手の薬局で勤める経験をしました。

雰囲気はそれぞれ全く違うものでした。

大手の薬局では毎月社内で一斉に行われる薬のテストと、
そのための分厚い試験範囲の勉強は必須でしっかりと知識を身につける日々。

そして仕事場では、いかに早く、正確に、多くのお客さんに薬を渡せるか
ということが重視されました。

私はスキルアップに魅力を感じこの薬局を勤め先の候補としたのですが、
実際に見学をさせて頂いた際、薬局長の方にこんな質問しました。

「お客さんとはフレンドリーに喋れますか?」
「お客さんと距離は近いですか?」

というのも、
お客さんとの何気ない会話の中に副作用の症状が隠されていたり
飲み忘れの状況が見えたりするからです。

無意識のうちに、自分のやりがいや仕事の面白さを
そこに感じている事に気がつきました。

しかし薬局長からは

「接客は主にスタッフがやるので、薬剤師は薬の調剤と説明がメインですよ」
と言われ、ちょっとがっかりしたのを覚えています。

そして実際にその大手薬局で勤めてみても、
お客さんとの距離感は
最初に勤めていた小さな薬局の時とはまったく違うものでした。

しかしさすが大手の薬局。しっかりした研修があるので
患者さんへの聞き取りやお薬を渡すスピードは確かに早いんですが、

その反面、いざ投薬しようとフロアに出て行くと、
誰が誰だかわからないという状況。

「○○様〜」とお客さんの名前を呼んで初めて、
あぁ、この人にこの薬を渡すんだなと理解できる感じです。

個人薬局にいた時は、調剤中に

「○○さん、薬変わったんだな〜」
「あれ、痛み止め追加されてるから後で聞いてみよう。」
「昼の薬だけ日数少ないから飲み忘れてるかも。」

薬剤師田口

などと思いながら調剤をしていましたが、それがわからない状況。

都会だからとはいえ、これに慣れるまでにはかなり苦労しました。

そして同時に気になったのが、クレームの多さでした。

例えば、薬の数を間違えてしまった・時間が予想以上にかかってしまったなど、
こういったケースは個人薬局でも大手でも起こる事はあるんですが
お客さんの感情が全く違うように感じたのです。

個人薬局で勤めていた時は、同じミスであっても

大丈夫だよ、次から気をつけてね。
今日は時間があるから待つよ。

患者さん

という対応をいただいていた事が、
大手では、

「いったいどうなってるんだ!」「いつまで待たせる気だ!」「責任者を出せ!」

患者さん

と怒りとなってしまうという事が多かったように思います。

これも、田舎と都会の違いかな?と最初は思ったのですが

この違いは、私がネット販売をしてみて
いろいろなネット販売と共通するところがありハッとしました。

それは何かというと、
私の運営しているような個人ショップの場合は、
ミスをしてしまってもたいていの場合は理解してくれたり許してくれたり、
またレビューも良かった点や嬉しかった点を書いてくれる人が多いのに対し、

ア○ゾンやヨ○バシなど大手のサイトでは、
往々にしてネガティブなレビューが相対的に多いという点です。

・・というか、いい点をわざわざレビューに書かない、または
商品が正しくても高評価されないという事。

これは、
商品を正しく送ってくれる事自体には、
お客さんは取り立てて嬉しい気持ちになってない

という事が言えると思います。

そして結局いろんな規模の薬局やネットショップ運営を経験して感じるのは、

*お客さんとの距離感が遠ければ遠いほど心が通わずお互いが理解できず結局クレームになる

*お客さんとの心理的な距離感が近ければ近いほど、お互いの事情を理解できるし心理面でのフォローがされ、クレームになりにくい

という事です。

お客さんが求めていることと私たちが提供するべきこと

ハンドメイド作家さんとお話ししていると、

「どうしても既製品のように綺麗には縫えない。」とか

「大量生産品のように価格を下げると利益がなくなってしまう」

品質や価格を大量生産の既製品と競おうとして負のループに陥って
自信をなくしてしまう・・

というようなお悩みを打ち明けてくださる方がいるのですが、

そもそも品質だったり便利さを勝負する事自体、
少しフィールドが違う気がするんですね。

もちろん品質は良いに越した事はないし
価格も安い方が売れるかもしれない。

だけど、

お客さんは商品そのものだけを見ているわけじゃないよ

というのが、
私が声を大にして言いたいポイントです。💡
 

ハンドメイドサイトにあるショップのレビューを見ても感じますが、

・梱包が丁寧で開けるのがワクワクしました
・質問にもしっかり答えてもらえました
・壊れたらすぐに対応してもらえました
・またリピートしたいです!

お客さん

など、
ものを売っていても商品そのものではなく、
提供者の態度や対応を評価される事が非常に多いのです。

これは、国内でも国外でも同じですが、

お互いが人と人として認識してやり取りをしているからこそ発生する
個人ショップならではの暖かいレビューだと思うのです。

最初に勤めていた個人薬局でクレームやお叱りが少なかったのは、
生活の細かい変化まで話してもらえたり、
他愛ない会話を通してお互いを認識し、

患者さんと薬剤師の心の距離が近かった事がとても大きかったなと感じます。

商売の目的

結局、私たち小規模ビジネスをする人が注力するべきところは
どれだけ「あなただから」と思われるかというところだと思います。

もちろん商品・サービスそのものの質がひどければダメですが
でも、提供者自身に付加価値を感じてもらう事こそが、
お客さんに気持ちよくそしてスムーズに選ばれる理由になってくると思います。

どこかで聞いたことですが、
どんなものを販売していても、どんなサービスを売っていても
提供者は渡す商品そのものではなく、

その商品の先にあるその人の人生自体がよくなることを考えて
それを提供しなければいけないということ。

”欲しいと言われるから売る”

”薬局にきたから薬を渡す”

一見普通のことのようですが、

提供側の意識がそこから一歩踏み込み、
「自分のできる事で、この人の人生をよりよくするには何ができるか」
を頭の隅に置いておけるかどうかで、

たとえ渡す商品は表面上同じであっても、
提供できるものの質が変わるように思います。

私たちはついつい自分の事にばかり目が行きがちで、

どうしたら売れるか
どうしたら人がくるか
何が売れるか

という事を考えがちですが、

*お金を支払ってくれるのはお客さんなんだという事と、

*自分はお客さんを輝かせる存在なんだ

という事がわかれば、
スポットライトを浴びせるのは自分(提供者自身)ではなくお客さんなんだ
と意識が変わり、おのずと
「お客さん」の捉え方も少し変わるように思います。

  • 自分を知っててもらえる事。
  • 状況を分かっていてもらえる事。
  • 見ていてもらえる事。
  • 気にかけてもらえている事。
  • 興味を持ってもらえる事。
  • 名前を呼んでもらえる事。
  • 個別私的な声かけをもらえる事。

これだけでお客さんは大きな付加価値を感じますし、
大手には真似できない、個人経営の強みであり
同時に小さいショップが得られる仕事の楽しさの1つなんじゃないかなと思います。

同じ商品を提供しているのであっても、

提供者の心の持ち方が一人一人違ったら
それだけでブランドになるし、選ばれる理由になると思います。

お金をいただくプロとして、
その人の人生そものものに興味をもち、
自分たちがどれだけ輝かせてあげられるか?

私自身も日々まだまだ努力の段階ですが、
忘れずにいたいと思います。

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まとめ

今日は、クレームやお客さんのコメントから紐解いて
我々個人ショップなど小規模だからこそ出来る事を
書いてみました。

お客さんとのやり取りがいかに重要か、というのは
よくネット販売のセミナーやコンサルでもお話ししているのですが、

なんでやり取りやメールが重要なのか?
なぜお客にそこまで深入りする必要があるのか?
それよりも商品を増やした方が良いじゃないのか?
売れそうな商品を出した方が良いんじゃないか?

という意見をいただいたりして、
「うーん、ちょっと違うんだよなぁ〜」と思いながらも
なかなか口じゃうまく説明できなかったんですが、

今日この記事を書いて、自分自身もはっきりと答えを導き出せた気がします。

なぜお客さんとのやり取りが仕事の中で重要なのか?

それは、

『お客さんに興味を持って、お客さんの生活自体をよくしようと思って運営すると、うまくいくから』

これに尽きるのかもしれません。

ちなみに、
運営の規模のちがいや提供する商品の違いはありますが、
私の知っている尊敬する経営者は、
みんなここら辺の感覚が変態的にずば抜けています。(笑)

何をしてあげたら喜ぶか

そんな事ばかり考えています。

そりゃあ、
人が集まり応援者がつき、結局うまくいきますよね。^^

という事で、
今日は私が経験してきた薬剤師とネットショップ運営から見る
『個人店が大手に負けずにお客さんに選ばれる共通点』
について書いてみました。

商品のクオリティだけでなく、
お客さんとの ”距離の近さ”
ぜひ意識してみてください。^^

何か気づきがあれば幸いです。

最後までお読み頂き有り難うございました。

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