2019/12/05
私が薬剤師を辞めたたった1つの理由。生き方を変えた衝撃的な出会いとは。
こんにちは、田口さやかです。
『せっかく薬剤師になったのに、なんで辞めたんですか?』
『もったいない。一体何があったんですか?』
全く関係のない現在の仕事をしていると、
休憩時間や講座が終わった後などに
たまにこういった事を聞かれる事があります。
実は、私としても、
自分が熱望して入った薬科大学。
”これぞ私の生きる道だ” と思い疑わなかった薬剤師の道でした。
さほど頭が良くなかった私にとって、
受験前にはストレスで全身じんましんを起こしたり、
試験勉強での肩こり→頭痛→嘔吐を何度も繰り返しながらも
必死に勉強してやっと勝ち取った、薬剤師という資格。
起業してから3年が経ち、普段あまり思い返す事がない
薬剤師時代のことですが、
薬剤師を辞めたのは、
自分の内面の弱さを目の当たりにしたのが理由でした。
起業するためとか、そんなにかっこいいもんじゃありません。
『なぜ、どんな風に薬剤師という仕事を辞め、働き方を変えたのか?』
今日は、いっっっちばん最初のきっかけについて、
書いてみようと思います。
目次
突然きた大きな衝撃
2010年。
今から8年も前になりますが、
めちゃくちゃ小さなきっかけから、
私は最終的に、夢にまで見た薬剤師の仕事を
手放してしまうことになったんです。
居心地最高!薬剤師という仕事
私にとって、晴れて「薬剤師」となって初めて勤めた会社というのは
ありがたいことに、とても居心地の良い環境でした。
優しい社長に面白くて大好きな先輩。
安定したお給料、
顔見知りの患者さん達。
最初こそ薬の知識に苦労しましたが、
薬局の仕事に慣れれば慣れるほど、
その居心地のよさは増していったように思います。
そして何より、私にとって
『薬剤師という国家資格を使って安定した仕事ができている』
ということに、とりわけ喜びを感じていました。
「日本中どこでも働けていいね。」
「働き口が無くならないからいいね。」
「薬剤師なんて、頭いいんだね!」
そんな周りからの声もあって、
(国家試験は正直スレスレの点数だったけど)
薬剤師になれたことが本当に嬉しい・安心
という思いで働いていた私でした
・・が、
ある日、私の気持ちにほんの小さな変化をもたらす
出来事がありました。
仕事帰りに立ち寄った本屋さんで目に入ってきたもの
当時、私の家と職場のちょうど中間地点にツタヤ書店があり、
よく仕事帰りに立ち寄っていました。
読む本はだいたい仕事に関するクスリ系の本か、
病気の本。
当時薬剤師2〜3年目の私にとって、勉強しなきゃいけないことは
山ほどあり、よくツタヤで本を買って
家で勉強をしたりしていました。
今日あの患者さんに出た漢方、家に帰ったら改めて調べてみよう。
田口さやか
そんな感じで、いつも
仕事と家の往復だった私にとって、
そのツタヤは、拠り所でもあり、
薬剤師としての情報収集の場でもありました。
ある日、いつものようにツタヤに立ち寄った日のこと。
その日はたまたま薬の本を買うのではなく、
奥の文具コーナーに用事がありました。
そしてふと、いつも見ないコーナーを通ると、
今まで全く関心のなかった本がズラリと並んでいました。
『自己啓発』
と書かれた本棚には、
今まで手に取った事のないような、
“人生”を考えていくような本がたくさん並んでいます。
当時の私にとって、
実は自己啓発の分野というのは
どこか毛嫌いしている部分があったように思います。
あ〜、人生に迷っている人のための本か。
私は路頭に迷わないでちゃんと薬剤師になれて良かった。私には関係ないな。
田口さやか
そんな風に素通りするジャンルだったのですが、
その日はなんとなく、どんな本があるか眺めていました。
その中でふと目に入ってきたのは
「一瞬で自分を変える方法」
という本。
いかにも自己啓発っぽい題名です^^
はて、自分を変えるとはどんなもんかと、
興味本位に立ち読みをし始めた私ですが、
気がつけば、小一時間、
夢中で本にかじりついている自分がいました。
(ちょっと恥ずかしいですがこちらです^^↓)
自分自身の価値と、ステータスの価値の違い
その本は結局買って、
実は5回以上読んだのですが^^
読めば読むほどに
自分の中で今まで気づきもしなかった”弱い内面”を
凝視せざるをえない感覚になりました。
『あれ?
自分は今まで勉強も頑張って仕事も安定した職業につけて
良かったと思っていたけど、
もしかして、
薬剤師だから大丈夫。
薬剤師だから安定。
薬剤師だからすごい。
・・
こんな風に、
『薬剤師』という鎧を着ている事に
喜びや優越感を感じていたんじゃないだろうか?
ふと、そう感じたんです。
そして、
”じゃあ仮に、今薬剤師になれていなかったら・・?”
そんな問いを自分に向けた時、
とっさに出てきた「それは有り得ない!絶対ヤダ!!」 という感情とともに、
『薬剤師』という自慢の鎧を剥がされた中から出てきたものは、
”自信のない小さな私”。
・・そんな感覚に陥ったんです。
そして、生き方本質を探求するほど、
路頭に迷っていく自分がいました。^^
自分の中の葛藤
今まで頑張って勝ち取ってきた薬剤師という地位、安定感、喜び、
そういった安心感に相反するように、
自分はこのままでいいのだろうか?
という、葛藤が少しずつ芽生え始めていました。
勉強を頑張っていくことや薬剤師になることは
家族の誰からも歓迎され、褒められてきたことだけど、
同時に、「するべき・なるべき・ならなきゃいけない」
という思いだけでここまで進んできたことも、また事実。
そして、自己啓発の本に書いてあるような
・やりたい!という思いに従おう とか、
・好きなことをしよう! とか、
そういう観点から物事を選択したことが無かったな
ということに自分自身驚きつつ、
同時に、
”自分の内面を磨く” ということを
今まで全く考えて来なかったと気がついたんです。
どうりで、いつまでたっても常に自分に自信がないわけだ。
良い成績をとっても、薬剤師になっても、
それ自体はすごいと言われるかもしれないけど
自分自身が自分をちっとも好きになれない・・。
田口さやか
その理由が少しわかった瞬間でもありました。
というのも、
薬剤師だからすごいとか、
ブランド品を持っているから素敵とか、
これが作れるからすごいとか、
社長だからすごいとか、
高級車に乗っていてすごいとか、
こんな知り合いがいてすごいとか、
そんな、人に”くっついているもの” ばかりに目が行き、
そこに価値を見出していたのかも、、
という事に気付いてからは、
自分自身がこれまで良かれと思って積み上げていたものは、
自分自身の価値ではなく、
ステータスや表面上の安心感という、
自分を守るための鎧(外側)の部分だったんだな、と
心の中で確信があったからです。
自分自身の価値とは
「自分自身の価値とは?」
自己啓発の本にまんまとやられ、(笑)
私は今まで見ようとしなかった(無意識の中で見ないようにしていた)
自分自身のことを考えるようになっていきました。
その中で生まれた複雑な感情。
安定も好き!
薬剤師でいる自分も誇りを感じる!
薬剤師を手放したくない。
田口さやか
でも、
好きなことをやってみたいし、
もっと自分を変えてみたい!!
たとえ薬剤師の鎧を剥いでも、自分に価値を感じたい!
田口さやか
この思いは、一見すると正反対の行動なのに、
両方とも私が”幸せに生きたい”
という同じ理由から派生している感情でした。
だから、葛藤が生まれるんですよね。
そんな頃から、
居心地のよさを感じていたはずの薬局生活に、徐々に心の変化が訪れ、
薬剤師という鎧にしがみついている『自分の執着心』や『内面の弱さ』、
同時に自分で作っている『不自由感・足かせ感』を振り切るように、
”やってみたい! 自分で選んでみたい! 変わりたい!”
という思いを大切にして
私は半年後、それまでの人生で一回も関係のなかった
”アメリカ留学”をすることを決意しました。
理由は至ってシンプルで、
『やってみたいな』と思ったからでした。
そこからは、
それまでとは違った歯車が回りだしていったように感じています。
まとめ
今日は、薬剤師時代を振り返りながら、
一番最初に
自分自身と向き合うきっかけになった時のことを書いてみました。
他者が価値を感じてくれやすい”鎧”を育て大きくするんじゃなくて、
その中身である”自分自身” を変えていきたい。
そして、
どんな鎧がなくても自分自身に価値を見出し、
自信を持った自分で、自立して歩いていきたい。
そんな風に思うようになってきたことが、
働き方の変化や生き方の変化に繋がっていったように思います。
私もまだまだ発展途上ですし
チャレンジしてみたいことがたくさんありますが、
どんな時にも
自分に変化を作る時というのは、
本や周りの影響があるにせよ、
最終的には自分が自分を信じる瞬間であり、
同時に自分の心や感覚が大きく揺れる
結構ハードな時でもあると思います。
どんな人でも、
これからもそんな精神的にハードな出来事や時期がくると思いますが、
自分自身に価値をつけるためのステップアップのチャンスと捉え
進んでいけたら、
見える世界を自分の力で変えていけるのかもしれません。
今日は薬剤師を辞めようと思った私自身のきっかけを
書いてみましたが
もしかすると、現役の薬剤師さんも読んで下さっているかもしれません。
私のかなり些細な話ですが、
何かご自身の夢へ、理想の未来へ、
新しい一歩を踏み出す小さなきっかけになればとても嬉しいです。
P.S
ちなみに余談ですが、私が薬剤師現役だった頃、
他のどの本よりも私に薬の面白さを教えてくれた本がありました。
それがこちら。今もこの本だけは捨てずに大事にしています。
(薬剤師さんにはかなりおすすめです。)
長文になりましたが、
最後までお読みいただき有難うございました。
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