2019/06/17

ハンドメイド販売は自分が好きな作品を売るべき?作家活動特有の葛藤を解消する方法

 

この記事を書いている人 - WRITER -
田口 さやか
脱サラ女子として2015年に個人販売で起業。 インターネットを活用しのべ4万人以上の国内外のお客様に 商品を販売してきた販売実績を生かして 同じようにハンドメイドでビジネスをしていく方々を応援しています。 ご受講者様累計600名以上。 現在もネット販売のためのオンライン講座『売れるネットショップを構築するUSK講座』、海外・国内のネット販売セミナー・個人コンサルを実施中です。

こんにちは、田口さやかです。

先日、あるハンドメイド作家さんからこんなご質問を頂きました。

ハンドメイドで商品を作って販売しているんだけど、
作っているものは、実は自分では使わないものなんです。

自分が使わないのに売っているのが申し訳なく感じてしまって、
どこか罪悪感を感じてしまいます。

悩める作家

自分で手作りしていると、
いろんなところに葛藤などが生まれることがあると思うのですが、

実は、

販売することにどこか罪悪感を感じてしまうという方は
結構多いんじゃないかな?

と思います。

・作っているのに自分が使わないなんて、
お客さんを騙していることになるんじゃないか?

・商品に100%の愛情がなければ、
販売なんてしちゃいけないんじゃないか?

もしかすると、”ハンドメイド”という温かすぎるほどの言葉の裏には、
その暖かさを守らなきゃと、責任の重さを感じてもやもやしている作家さんもいるように思います。

無意識の中で”自分はこれが好きなんだ”と自分に言い聞かせて
活動をしている方だって、実はいるんじゃないかなと。

今日は普段あまり語られない”ハンドメイドの裏の心理”
考えながら、

私自身が葛藤してきた経験から、それでも上手くいく方法というのを
探っていこうと思います。

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こうあるべきと思われがちな、ハンドメイド起業の幻想

” ハンドメイドで作っているものは、作家自身が誰よりも何よりも
作りたい情熱を傾けるものであり、その商品への愛は普遍である ”

世の中では、なんとなくこれが当たり前のように
なっているところがあるように感じます。

例えて言うなら、

『母親なら、子供を愛して当然でしょ 』

みたいな感じです。

もちろん、ハンドメイド販売をする方の中には、
それを作ることが好きすぎて、
自分用に沢山作った延長線として”販売をスタート
する人も多いとは思いますが、

ハンドメイド販売を仕事にする理由はもちろん十人十色で、
みんながみんな
自分の大好きなものだけを売っているわけではない
というのが事実
だと思いますし、

それって全く悪いことでも何でもないと思うのですね。

そして、かく言う私もいろんな商品を経て、

今は自分が使わない物ばかりを、楽しくお客さんに販売しています。^^

自分が大好きなものばかりを作る事が上手くいく秘訣とは限らない

好きこそものの上手なれ
とは言いますが、

好きで上手に作品を作れたとしても
”売る” ということには、作ること以外に考えるべき事が
沢山あります。

私は、以前海外販売を始めた時、自分が好きだった
和柄のハンコを販売し始めたところからスタートしたのですが、

ビックリするほど全く誰にも相手にされない 

という事実に直面しました。

その時の感情といえば、

この小さい和柄のハンコ、本当に可愛い。
日本好きな人にはぜったウケると思うわ〜!

田口さやか

こんな、自分だけの確信で
意気揚々と販売していたわけです。
(販売していた と言っても、売れなかったわけだけど。(笑))

そして数ヶ月後に芽生えてきたのは、

好きなものを作る事よりも、
とりあえず、一つでいいから売れてみたい。。

田口さやか

という切実な想いでした。

もちろん趣味で制作をして楽しむのならそれで全く問題ないのですが、
沢山作っても、買い手がいなければビジネスにはなりません。

私の場合、薬剤師もやめてしまって
『とにかく売れたい』という切なる気持ちが
日に日に強くなっていったんですね。

販売を始めた当初は、

自分が最高だと思う商品を売るべきだ!
自分が愛せる商品だけど作るべきだ!

と思って疑わなかった私ですが、

状況が状況なだけにそんな綺麗事は言ってられなくなり、
その頃から、多少の開き直りとともに

”自分の商品を販売する事” の固定概念に
少しずつ変化が現れてきたように思います。

ある意味、今まで抱えていた余計なプライドを捨て
吹っ切れたと言えるのかも知れません。

ビジネスの楽しみを感じる部分は人それぞれ

最初の頃は、
自分で商品デザインを決めたり、サイズを決めたりしていたわけですが、

”自分が愛せる大好きなものを販売しなきゃいけない”

という固定概念がなくなってからは、
それまでとは違った試行錯誤ができるようになりました。

例えば
お客さんにこちらからアプローチするとか、海外の人にあれこれ聞いたりと
図々しくなる事ができるようになっていったのですが、

そんな中、少しずつ売れてきた頃からでしょうか。
今までにはなかった気持ちが少しずつ見えてきたんですね。

それは、

お客さんにとって喜ばれるものを提供するって、
これ案外楽しいな!!

田口さやか

という気持ちでした。

これは、「お客様に喜んで頂くために」という
会社のキャッチフレーズのような形式的なものではなくて、

お客さんとやり取りを交わし、
状況を知ったり仲良くなっていく中で、

この人にはどんなものが喜ばれるか?
この人はどんな用途で買ってくれたのか?
サイズは本当にこれでいいのかな?

そんな風に

私は自分の商品そのもの以上に、
実はお客さんとのやりとりに興味を持つようになっていったんですね。

極端な話、商品はなんでもよくって、

お買い物にどんな価値を感じてもらえるか?とか、
今回の商品よりもワクワクする商品があるとしたら
それって何かな?

とか。

自分でも笑ってしまいますが、
気づいた時にはもはや、
ハンコの制作やデザインの活動から
ずいぶんかけ離れたところに夢中になっている自分がいました。

最初の頃を振り返ってみると、

自分が作って提供しているものなんだから、
好きでいなきゃいけないに決まっている。
その商品に最大の情熱をかけなきゃいけない・・と、

もしかしたら、そんな風に
頑張って自分で思おうとしていただけなのかもしれないな

と思います。

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好きな事を仕事にする は、どんな仕事でも可能だということ

よく、好きなことを仕事にしよう
ということを言われたりしますが、

これには、2種類の方法があるように思います。

1つは、職業から選ぶ方法です。

例えば、
お菓子作りが好きだからパティシエになりたいとか
彫金が好きだからアクセサリー作家になりたいとか
そういう感じです。

そしてもう1つの方法は、
業務で選ぶ方法です。

これは、
人に教える仕事が好き とか
黙々と作業を続ける仕事が好き とか
子供と関わりたい とか
そういう部分です。

どんな仕事であっても、
この2つの要素というのは密接に関わっていると思いますが、

極端な話、
仕事を自分らしくしていくには、

自分仕事の中のどこか1部分に、思いっきり喜びを見つければいいだけ
なのかも知れないなと思ったんです。

・作ることに没頭する時間が何より楽しい
・デザインを考えるのが一番楽しい

というのもありだし、

・私のように、お客さんとのメッセージがやたら楽しい とか
・マーケティングのことを考えるのがワクワクする

というのでもいいと思います。

人それぞれ楽しみを感じる場所は違っていて普通だし
それが商品そのものに関係のないところだっていいと思うのですね。

私の会社員時代を振り返ってみても、

私は薬剤師をしていた時、
化学や薬のことも嫌いではなかったけど、
それ以上に何より患者さんと話すことが大好きでした。

ハンドメイド作家って、どうしても
自分が作っている『もの』を好きでいるのが当たり前

と捉えられてしまうけれど、

ハンドメイド販売の楽しみって、
別に『ものを作る』という部分だけではないと思います。

薬剤師の私が、薬を探求することより患者さんと話すのが好きだったように、
ハンドメイド作家さんだって、
自分で商品を1から作ることよりも、お客さんを喜ばせる方に興味があったって
全然いいと思うのです。

まとめ

今日は、ハンドメイド販売であまり語られることが無い
作家さんの心の裏側について、感じることを書いてみました。

私もネットショップをやっていて、
なぜ海外販売を長く続けてこれたのか?というと、

実は商品以上に海外のお客さんとのやりとりが
病みつきになってしまったから。

意外かもしれませんが、これが一番の理由だったりします。

自分の好きなデザインで商品をどんどん生み出すこと以上に、
海外のお客さんがどんなものを欲しがっていて
どうやって使ってくれているのかを知りたい〜!

極論、自分が気に入った商品じゃなくても全然良くて、
もっと「これ欲しかったんだ!作ってくれてありがとう」 と
言われるような商品を提供したい

そんなところに情熱と喜びを感じて
販売を続けてきました。

頂いたご質問の回答になっているか分かりませんが、

自分の商品を自分が使わないというのは
全然気にすることではなくって、

違うところに灯っている自分の中の喜びを大事にしながら、
仕事を選んだり、堂々と楽しく販売をしていって
いただけたらなと思います。

何か参考になれば幸いです。

最後までお読みいただきましてありがとうございました。

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